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お良の性春
第2章 春風乱舞 恋のつむじ風
それから十日ほど経って、お良は近所の寺のお堂に向かっていた。手習いの稽古の日であった。
いつも通り隣の席はお節。ぎこちない挨拶をしただけで無言の二人に気まずい空気が流れていた。
稽古を終えた二人は、寺の境内の隅に座っていた。
あたりはまさに春の盛りを迎えていた。
桜の時期はすでに過ぎて、寺の裏山の木々は一斉に芽吹き、青葉若葉の季節を迎えようとしていたのだ。
二人の足元のツツジは赤やピンクの花をつけ、墓地の入口の木蓮の古木も紫色の奇妙な形の花を咲かせていた。
しかし、そんな春の装いも二人の目には入らない。
お節が重たい口を開いた。
「お良ちゃんごめんなさい。わたしが一緒にいながら」
「お節ちゃんが謝ることないわ。わたしがバカだったのよ」
「それにしても、お良ちゃん、あのときは運が悪るかったわネ」
「ホント。わたしも信じられなかったワ」
お良がため息をつく。
いつも通り隣の席はお節。ぎこちない挨拶をしただけで無言の二人に気まずい空気が流れていた。
稽古を終えた二人は、寺の境内の隅に座っていた。
あたりはまさに春の盛りを迎えていた。
桜の時期はすでに過ぎて、寺の裏山の木々は一斉に芽吹き、青葉若葉の季節を迎えようとしていたのだ。
二人の足元のツツジは赤やピンクの花をつけ、墓地の入口の木蓮の古木も紫色の奇妙な形の花を咲かせていた。
しかし、そんな春の装いも二人の目には入らない。
お節が重たい口を開いた。
「お良ちゃんごめんなさい。わたしが一緒にいながら」
「お節ちゃんが謝ることないわ。わたしがバカだったのよ」
「それにしても、お良ちゃん、あのときは運が悪るかったわネ」
「ホント。わたしも信じられなかったワ」
お良がため息をつく。

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