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MILK&honey
第16章 ……聞かなかった事にしよう。

「かーさんさんなら、大丈夫かー!!付き纏ったり待ち伏せたりしないもん!」
「え。」
姫ちゃんの言葉で、この前るりちゃんとファーストフードに行った時の事が思い出された。
「待ち伏せとかする奴らが、居るの?」
「うん、時々。すごい困るの、ぐだぐだする人!!るり、優しいから、そういうはっきりしない人に止めてって言うの、苦手なの」
あー。確かに、苦手そうだったよなあ……
……なんて思ってる俺の耳に、姫ちゃんの愚痴の続きが流れ込んで来る。
「好きですとかー、付き合って下さいとかー、ちゃんと言ってくる人なら、るりだって『好きな人が居るから無理です!!』って、すぐ断れるんだけどー」
……え。
「るりちゃん……好きな人、居るの……?」
「え?居ますよー、好きな人。ずーっと前から、大好きな人!」
…………え゛。
ずーっと、前から……
これで、万が一でも自分がその「好きな人」かもしれないことがあるかもしれなかったりするかもという可能性が。
完っ全に、消え去った……。

