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あなたからは逃げられない
第20章 会社での変化

弁護士は藤堂さんに向かって話し始めた。
『藤堂さん。あなたはまだこれから裁判が待っている身です。それなのにさらにこんなことまでして…
私はあなたを弁護する身ですがこれは人として酷すぎる。
罪を認めて示談に応じてください。じゃないと裁判で勝つことはもう不可能に近いですよ。』
『そんな...』
弁護士に説得されるも藤堂さんは首を縦には振らなかった。
ここにいる龍輝さん、橘さんもこの光景にはお手上げのようだった。
「あのちょっといいですか?」
私は弁護士さんと藤堂さんの会話に割って入る。
「藤堂さん、私はあなたを許すことは出来ません。身体の傷は癒えても心の傷はずっと残るはずだから。
今回のことは私の中で忘れようと努力はするつもりです。
だから二度と私の前や龍輝さんの前に現れないで。
約束してくれるなら今回の訴えは取り消します。」
私の言葉に橘さんも龍輝さんも驚いていた。
でももうこれ以上この事でことを荒立てたくないのが私の正直な気持ちだった。
『藤堂さん、小鳥遊さんがこう言ってくれています。約束をして謝罪してください。』
弁護士に促され藤堂さんは納得したのか、ごめんなさい。と言って頭を下げた。

