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第16章 花の見る夢

　ハン内官が大切そうに持っている紙には、チェスン本人が描かれていた。白と紅の花たちを背景に、チェスンが微笑んでいる構図だ。





　絵は見事なものだった。チェスンの視線は花に向けられているわけではなく、小さな紙片には背景に花が描かれているだけなのに、正面を向いている視線の向こうには確かに花があって、自分はその花を見つめているのだと、絵を見る者に納得させた。