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永遠の愛を奪って
第4章 永遠の愛と出会い

「大丈夫かい?」
「はい。大丈夫です。ありがとうございます」
心配した顔で女性のことを見つめていた男性も私たちと同じ年代のように思えた。
このタイミングで体を支えることができたということは脇目も振らず隣にいる女性のことを見ていたんだろう。
パッと見た感じ、ふたりは美男美女でとてもお似合いだ。
支えられていたところを見ていてすぐに気づけなかったけど、女性が持っていた花束がぶつかった反動で地面に落ちていた。
その花束を拾い、何の花なのか確かめる。
「……この花って桔梗ですか?」
知らない人なのに興味があったことだからつい話し掛けてしまった。
後になって必要以上に声を掛けたことが少し恥ずかしくなってきて女性の顔色を伺うと、天使のようなやわらかい笑みを向けてくれた。
「そうですよ。白い桔梗の花束です。さっき、この近くのお婆さんにもらったんです」
「いいなぁ……。私も桔梗が好きで……。確か、花言葉は“永遠の愛”ですよね」

