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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ

じっくり話し合う時間もなかったし、一緒にいる機会があっても話してくれないことがある。
恋人同士なのに近くなっても遠く感じることがあって寂しく思えた。
「小春が想像している以上に考えているって……。でも…これだけはまだ……、とにかく言えないから」
ここまで頼んでも話してくれない姿を見ていると抑えていた寂しさが溢れ出してきてぎゅっと握りこぶしを作る。
分かっていても抑えていた感情までも込み上げてきて油断したら泣いてしまいそうだった。
「祐の意地悪……」
「意地悪じゃねーよ。小春だって人のこと言えないだろ?だから、この事はお互い様ってことにしておいて、オレは――――」
「もういいよ。祐は私と話し合うのが面倒だってことでしょ?」
「違うから。小春、ちょっと落ち着けって。ここは冷静になって……」
「いいって言ってるじゃん。もういいよ……」
このまま話していても埒が明かないと思った私は必要な物を詰めた仕事用のバッグを持ち、コートを羽織ってお婆ちゃんの家から外へ出た。

