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永遠の愛を奪って
第19章 溺愛とさよならの決心

「うっ、うん…… 」
凍えてしまいそうなくらい冷たい空気に触れながら祐と手を繋いだまま歩く。
冬の寒さも悪くないと思えるほど、重ね合っている手のひらはとても暖かく感じた。
ようやくやって来た恋人同士として過ごせる時間。
それを待ち望んでいたかのように私の顔に少し笑顔が戻ってくる。
雪が降りそうな夜空をたまに見上げながら歩き、「寒い」っと体を縮こませると途中でコンビニに寄って祐が温かいレモネードを買ってくれた。
「ごめんね……」
まだお婆ちゃんの家には遠い帰り道に戻ってからレモネードが入っているペットボトルを両手で包み、そこに視線を向けたまま私は祐に謝る。
「何が?小春は悪いことをしてねーじゃん」
「土嶋さんに言ってもらわないと祐の彼女だって自分から言えなかったから……。
こんなに情けない彼女でごめんなさいって思って……」

