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永遠の愛を奪って
第18章 彼氏宣言と事情

未来の不安さえも感じさせない声色から、転勤の話を快く受け入れた姿が目に浮かんできた。
前を向いて頑張ろうとしている祐のことを彼女として応援してあげたい。
だから、寂しくなって泣いてしまっても「行かないで……」っとだけは言わないように心に誓った。
「でも、もしうちのパン屋が閉店することになったらその時のオレはなんて思うんだろうな……」
「その不安な気持ち、分かるよ。うちのお婆ちゃんが花屋を閉店した時、なんか寂しいなって思ったもん」
「だよなー……。でもお母さんだけはオレのことを応援してくれてるからなんとかなると思う。
転勤しても後悔しないように頑張らないと」
「明るい性格の祐ならどこに行っても大丈夫だよ」
「ありがとう。……それにしてもここにいれるのもあと十日しかないのかー。
寮があるみたいだし、体だけ行けばなんとかなるから引っ越しの準備はあっちでするとして……。
こっちではやり残したことがないようにしておかないとなー」
「えっ……。帰ってこないの……?」

