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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……

「ごめん……。帰って飯食ったら眠くなって朝まで寝てたんだ。なんか疲れていたみたいでさ、十時間以上寝た……。
そのおかげで今日はすげー元気だし、小春と夜遅くまでいれそう」
真実を聞いて拍子抜けした。
寝不足になるまで悩んでいた私の不安は何だったんだろうっと……。
他の女と二人きりで過ごしていたわけだなく、普通に帰宅して家でただ寝ていただけ……。
「そうだったんだ……。でもお見舞いに行かなくてよかったの?土嶋さんに怒られたんじゃ……」
「朝に職場で会ったら、なんで来てくれなかったのって怒られたけど。
そのくらいどうってことねーから気にすんなって。それに……」
「……それに?」
言葉を繰り返して首を傾げると、青木くんは座っていた距離を私の体とくっつくくらいに縮めて肩を抱き寄せてきた。
不安が解決したからか、身を寄せると安心する体温を感じて春の優しい日差しのように心が温かくなる。
この温かさは悩んでいた時に喉から手が出るほど欲しかったものだった。

