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愛のムチ
第4章  一ヶ月の期限

 
 「亜美、おつかれー」

 「あ、おつかれー」


 練習の後、珍しく全員が集まって更衣室で着替えている最中、


 「ちょっとー、ミナってば痕つけられすぎ!」


 「だってぇ……上手くできたらご褒美につけてもらってるんだもん。これはあたしがテニス上手くなった証拠だよ」


 無数の愛された痕を露わにして幸せそうにのろける部員の一人。


 「ま、あたしもたくさん教えてもらってたくさんエッチしてもらってすごく幸せだけどさ」

 「なんか日々が充実してるよね。中身が濃いっていうか……」

 「それはエッチの内容が濃いだけじゃないの?」


 口々にのろける部員たちの言葉を聞いて心の奥がチリっと痛んだ。

 いいな……皆すごい幸せそうで。


 「教えてもらってるうちに先輩のことすっごい好きになっちゃったから告ったの。そしたら一ヶ月限定じゃなくてもいいよって!先輩言ってくれたんだ~」

 「ああ、それあたしもー!」

 「あたしも!あたしも!亜美は?」

 
 急に話を振られてドキッとする。


 「あ……たしは、たぶん一ヶ月限定じゃないかな……?」


 和馬先輩は女子部を強くするために指導してくれているだけだし。


 「えー?どうして?キャプテンのこと好きじゃないの?」


 「好きだけど……キャプテンに迷惑かけたくないもん」

 
 これは先輩のお仕事のようなものだから、あたしがいくら好きでもきっと迷惑でしかない。

 
 「あのさー、亜美。あんたそういうところがダメだよ」


 イラっとした態度であたしに詰め寄る部員のひとり。


 「キャプテンが迷惑って言ったの?っていうか自分の気持ちも伝えてないよね?エッチはしてるんでしょ?」


 「まだ挿れてもらったこと……ないの。自信……ない」


 あたしと距離を置いているのかもしれない。例えば彼女がいるから挿入だけはしないとか。
 それともあたしの身体に魅力がないだけなのかもしれない。挿入するに値しない人間なのかもしれないし。

   
 「だーかーらーさーーー」

  
 今度は三人で詰め寄られ、そのあまりの迫力に後退りしたあたしのすぐ背後には壁。
 
 ぬっと伸びてきたたくさんの手によって、着替えた服たちが脱がされて床に散乱してしまった。


 「な、なにするのよー!」


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