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セイドレイ【完結】
第15章 見えない敵

「高崎さんの…おばあさん?」

貴之が不思議そうな顔で亜美にたずねる。

「えっとっ…あ、ううん。違うの。前にこの通りで、ケガしてるのを助けたことがあって…。ト、トメさんっていうの。それから…すごく良くしてくださってて…ね~トメさん!」

「まじすか!?高崎さん、めっちゃ優しいじゃないっすか!!頭も良くて人助けもするとか、天使にもほどがある…」

「そうじゃ。亜美ちゃんは天使じゃよ。あんたはあれかい?亜美ちゃんのお友だちかい?」

「あー、いやその…俺、今日転校してきたばかりで。高崎さんと方向が一緒なんで…。まぁ、俺は友だちになりたいですけどね…なんて」

トメと貴之の会話が自然と盛り上がっている。
亜美は少々居心地の悪さを感じながら、この場をどう取り繕おうか悩んでいた。

「あんたぁ、しっかりしてるねぇ。力がありそうだ。変な奴がいたら、亜美ちゃんを守ってやるんじゃよ。男なら、女を守らないかん」

「は、はい…!まぁ、力だけしか取り柄ないっすけど…」

照れくさそうに、貴之はまた髪の毛をかいていた。
先ほど校門で見せたのと同じその表情に、亜美は再び目を奪われる。


(まただ…なんなんだろう…この人の…この感じ──)


そんな "3人" を、遠目から覗き見る1人の男がいた。

「(なんだあの婆さん…。それにあいつは…たしか今日から転校してきた…えーと名前は…なんだったか。しかし、なんでこんなとこに…?)」

本山である。
亜美のスマホの位置情報が気になり、場所と状況を確認しようとここまでやってきたのだ。

「(でも現にGPSだと、あいつのスマホはずっとこの位置にある…お、やべえ見つかるっ──)」

トメとの会話を終え、亜美と貴之が再び帰路につく。
咄嗟に物陰に隠れた本山だったが、ふと思いつき、ふたりの後をつけた。

「──おーい!うちの学園の生徒だなー?」

背後から聞こえるその聞き覚えのある声──亜美は心臓が止まりそうになる。


(なんで…先生がいるの…?)


「──あれ、うちの学校の先生すか?」

本山のことをまだ知らないのか、貴之が亜美にたずねた。

「う、うん…。生徒指導の本山先生…だよ」

振り返り、歩みを止めたふたりに、本山が走って近寄ってくる。
その本山の姿に、亜美は思わず目をそむけた。


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