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Sugar Box
第16章  今夜も黒バラを君に。 *前*
  


 【 今夜も黒バラを君に。 *前*】



 〝運命の番〟が存在するのなら・・・それは、どんなモノだろうか。。。
 出逢った瞬間に欲しくて欲しくて堪らなくなるのだろうか。



「月瀬。」


 クタクタのスーツにヨレヨレのシャツ。相変わらずこの人は、身なりを気にしない。これで〝社長〟なんだから・・・・・・笑える。


「ぷっ。」


「なに嗤ってんだ?」


「いいえ。おはようございます、沖兎さん。」


 耳もかなりの地獄耳。鼻も利くし敵に回せない人。


「悪いな、急に呼び出して。」


「いいえ。で、なんの用ですか?」


 ドカッと目の前の椅子に座った姿は、社長だなんて言っても誰も信じないだろう。


「実はな・・・お前に新しいクライアントの紹介だ。」


「そうですか。
 仕事なくなって困ってました。」


 クライアントが突然の海外赴任となり居なくなってしまったのだ。


  
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