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第16章 Snow

『あった…』

小さな声で呟く彼女の手には
一枚の写真。



何故か僕に手渡し
散らかしたクローゼットを片付ける。


写真には
彼女と幼い…彼女…？


『子供いたの…？』

僕は彼女を見つめながら言う。

彼女は一言はぁ？と言った。

『いや、これナツと子供』

そう言うと

『母親とあたしや』

簡潔に言った。

なるほどこれが一卵性親子か。
それにしてもお母さん美人やな

僕は写真を見つめていると

『その人死んだんやって』

そう…他人事のように言う。


『お母さん亡くなったん…？いつ？』

『今朝やない？役所から連絡きた。』


『え？お葬式とか行かへんの？』

『行かんへんよ。
その人と最後に会ったん9歳の時やし』