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愛してるからこそ...
第4章 あとを継ぐ男
「どんなやつか知っているなら教えてくれ。」
小池は少し顔を歪めながら話をしてくれた。
どうやら以前は大きな病院で勤務医だったが
看護師や患者に手を出しバレて数カ所の病院を
首にされているらしい。
なるほどな。あの渡辺医院ならお年寄りが多い。
だから朱里を狙ったわけか...
俺は会議室の椅子を思いっきり蹴りながら
クソっ!と大声を出すと小池がビクッとなる。
「すまなかった。」
『いえ、あの渡辺先生が何か?』
「さっき朱里が渡辺医院に呼ばれて行ってた。
今日大先生は学会で孫しかいないらしい。
だけど泣きながら連絡があったんだ…
くそ!書類なんてせずに行っていれば…!!」
『結城課長?何かあったら日本医師会に
抗議するべきです。
これ以上被害者を出さないために…』
なにか意味のありそうな言い方だったから
小池に問いただすとどうやら小池の従姉妹の
看護師が使っていない備品庫に攫われて
性的被害にあったことがあるらしい。
あのクソ野郎が朱里に指一本でも触れていたら…
そう思うだけでイライラが収まらない。が
朱里が戻ってくるから平常心だ。
小池に言われた通り医師会に訴えてやろうと思う。

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