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第1章 序章

怖かった。

施設を出てからまともに生活出来ていなかった。
ご飯も食べられず、明日への不安は消えず
犯罪に手を染めようとしたら、
警察だという男に捕まり、拉致られた。
この男が警察官ではないことぐらい
わたしにも分かった。

何をされるのか、もう先のない不安に押し潰されそうで泣くしか無かった。泣くことしか出来なかった。

その間も男は無言で車を運転していた。
こちらに目をやる素振りすら見せない。

しばらく走るとどこかプレハブのような建物の中に着いた。
そこでわたしは降ろされ、その中へ連れられて行った。