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愛DoLL☆美しき野獣
第18章 最終章

季節は流れ…。
響は、クリスマスイブに、707gの小さな小さな男の子を生んだ。
未熟児で、保育器で2500gを超えるまで外部に触れることはない。
潤は彼のことを、¨樹¨(いつき)と名づけた。
死の宣告を受けていた響は、出産後すぐに意識を失い、その日、樹に触れることは、一度もなかった。
数日後、ようやく意識を取り戻した響は、涙を流しながら、樹と潤と対面した。
「良かった・・・少しでもあなたの役に立ててよかったです。」
保育器の中にいる樹は、弱弱しく、けれども、一生懸命に息をしていた。
「可愛い・・・僕の・・・赤ちゃん。」
消毒した手で、触れると、ピクリと反応した。
「響、俺の子を生んでくれて、ありがとう。」
潤は、心からお礼を言った。
「俺はお前に何度も救われたよ。」
「・・・そんな・・嬉しいです。」
そう言った響の顔色は、かなり青白い。
「響っ!?すまない!!頼むから、一秒でも長く、俺のために生きろ!!」
「はい。」
このときの、響の決意を、潤は知る由もなかった。
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