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姫巫女さまの夜伽噺
第6章 志摩の過去
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その日の夜も更け
宿の乱痴気騒ぎが終焉を迎える頃。
朝日が昇って、みんなが寝静まる頃に
伊良は目が覚めた。
そして隣に
あぐらをかきながら寝る志摩に驚く。
「…あれ、志摩?」
志摩は疲れているのか目を開けない。
伊良は怖くなって
布団から這い出ると彼の側に寄った。
まじまじと寝顔を見つめる。
長い銀髪は太陽に透けて美しく
同じ色の耳はふかふかしている。
まぶたを縁取る睫毛も銀色で
頬の紅い模様さえ人形のように美しい。
「ほんと、きれいな顔…」
こんな美しい人とあんな事をしたんだと思い返すと
恥ずかしさで体から火が出る思いだった。
志摩の頬に触れると
うっすらと目を開ける。
金色の瞳は太陽のようで
しかし、瞳孔は人のそれとは形が異なった。
「…志摩、起きて?」
不機嫌そうに志摩は目を開けて
頬に触れる伊良の手に触れた。
優しく頬から外すと
伊良の指を口に含む。
少し驚いて逃げ腰になる伊良の腰を抑え
胡座の上に座らせた。

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