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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第13章 恋しさの香り
 そんな王妃を気が付けば、自分は妬み憎しみすら抱くようになっている。自分の中の醜い心に気づいた時、オクチョンは死んでしまいたいと思った。大妃のようにどこまでも自分を憎み貶める相手なら、自分が憎み返しても罪の意識を感じる必要はない。けれど、王妃のように曇りのない眼で自分を見つめ、偽物でない優しさを向けてくれる相手を憎むなど、オクチョンの良心が許せなかった。
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