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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い

手早く仕事をして昼過ぎには溜まっていた分の量が半分は減った。
この調子でいくと今日は残業をしないで済みそうだ。
早く帰ってご飯を作って疲れて帰ってくると思われるソラ先輩におかえりなさいっと言ってあげたい。
意気揚々に廊下を歩いていると佐伯さんとすれ違って呼び止められる。
「これ、風子ちゃんにやってもらいたい仕事だって。うちの方の課長から預かってきたから」
「あの……、課が違うと思うんですけど……」
両手に持たされたファイルの山と貼ってあった猫の付箋に“今日中に営業課へ”っと書かれた文字を見て目を疑う。
「花城さんから頼まれたことを聞いてないの?」

