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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

「昼休みだったんだ。それで丁度近くを通りかかったら……ね」
「あっ、まだお昼でしたね。今日は早めにご飯食べたのでもう過ぎたのかと思ってました」
もう一度姿を見たいとあれほど強く思っていたのに、実際に会うと上手く向けることができなくて眠っている子供の方に視線を落とした。
おまけに空いている隣のスペースに腰を下ろしてきて顔を覗かれて顔が熱くなる。
「結婚したのは噂で聞いていたけど子供もいたんだね」
「はい。寝ているから大人しいですけど、走り回るから目が離せなくて……」
流石にこのまま顔を向けないでいるのは悪い。
愛想笑いをしながら塑羅緒さんの方を見るとやるせなさそうな顔をして指を組んでいた。
「……ねえ、風子。今は幸せ?」

