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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛

「前は許せませんでしたけど、もう許しましたから全く気にしてません。今はソラ先輩のことが大好きですから」
積み上げていた信頼を崩され、残っていた物から再び積み上げてもらって元に戻った。
いや、元に戻ったというよりそれ以上積み上げたのかもしれない。
「もう一度俺を好きになってくれてありがとう」
「ここまでくると何度好きになってもおかしくないですよね。
私、ソラ先輩のことを三回も好きになったんですよ?
記憶を失くす前と付き合ってからと海外から帰ってきて再会してから。人生、何があるか分からないですね」
「そうだね。俺も同じ人に何度も告白することになるとは思わなかったよ」
「執念がすごいなって思いました。でもそこも好きです」
二人で顔を見合わせて笑ってからまた静かな時が流れる。
何も話さずに遠くを眺めているだけでも居心地がいいと思えるこの場所は他にはないと思う。
潮風を浴びているとソラ先輩が先に口を開く。
「ねえ、風子。今日解いてもらった問題の本当の答えを言ってもいいかな」

