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きっかけは映画館
第24章 ぐぅ…
ヒジオが抱き締めてくれて、温かくて…よくわからないままに…眠ってた。
朝も…もう我慢しなくていいと伝えたくて、酔ってないかと聞いたら、飛び起きてバスルームに消えた。
会社なくても朝シャンするなんて綺麗好きなら、私もした方が良かったのかな。
洗面所に行けば、真っ裸のヒジオに遭遇して…
見てません…見てませんよ〜。
タオルを投げて逃げた。
朝食の間もおかしくて…、食べたいものが私とか、定番すぎるギャグを放って、自分で赤くなるヒジオ…。
肉食部の美人と張り合ったのを見られて、引かれちゃったかな。
まだ、店も開いてないのに出掛けようとか、何だかヒジオはおかしいまま…
ドラッグストアに向かうから、二日酔いかと心配しても、はっきり言わないし、
やっぱり飲み過ぎだったみたい。
酔ってたなら、私の、勇気を振り絞ってしたおねだりも、覚えてないのかもしれない。
買い物から帰ってきたら、そわそわしてたのが落ち着いて、もう確認はいいのかなって思った。
女だってね、性欲はあるんだよ?
ヒジオが暇潰しみたいにテレビを付けたら、あの映画の宣伝用特番をやってた。
良くも悪くも、あの映画が私達の知り合ったきっかけで…
ヒジオもそう思ったのか、洗面所の話を確認してきた。
煽るって…そんな欲求不満では……ないはずだけど…
好きだ、愛してると言われて嬉しかった。
映画館の時のように手を重ねてきて…くるくる…
それ、好きだねって言ったら、私のことが好きだからって…
重ねるだけのキス、唇と唇が触れるだけのことなのに、どうしてこんなに気持ちいいんだろう。
力が抜けてソファーに崩れ落ちて、口付けをされたら、もう無理………

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