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またいつか貴方と
第30章 居なくなった今
真剣に読もうと思っても目に涙が溢れて便箋が滲んでくる。
私の取説にはこと細かく書かれている。
本当に小さい頃から私を知っている聡くんだからこそ
分かる部分がたくさんある。
『まだ辛いとは思う。
けど聡はお前が泣いていることは望んでない。
いつでも笑っている沙綾が可愛いと
散々聞かされたからな。
だから今は泣いてもいい。
いつかあいつのこと笑ってみんなに自慢してやれ。』
泣かずに聡来んことを話せる日が来るのか
私には自信がなかった。
「でも、もう居ないんだよ…?
いつも優しいかっこいい聡くんは…
もう私の前には現れない。」
『だからこそ泣いてていいのか?
あいつはそんなお前を見て喜ぶか?』
聡くんは多分悲しむだろう。
でもこのどうしようもない想いは
どうすればいいのか分からない。
『俺が居てやるから。
沙綾
強くなれ。』
強く...
なれるかな?

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