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またいつか貴方と
第29章 聡くんの最期
あの日病室に戻れなかった。
どんな顔をして聡くんに会えばいいか分からなかったから。
もう今日は12月30日
もうすぐ年が明ける。
来年も聡くんと一緒に過ごせますようにと
祈ることしか出来ない。
お見舞いに行くと聡くんが真っ赤な顔をして
窓の方を向いていた。
その隣にはベテラン看護師さん。
『そんな恥ずかしがってどうするの!
もう尿管いれようか?』
聡くんが圧倒されている。
「こんにちはー。」
私は入口の椅子に腰掛けて
二人の会話を聞いていた。
『そんなに恥ずかしいなら出たか出てないかも
よく分からない状態の尿管にする?』
「は?嫌だし」
『じゃー、我慢してよ。若い子でも。
あんたのトイレで私が呼ばれてたらキリがない』
「は?恥ずかしいんだから仕方ないだろ。」
どうやら脳を揺らさないために尿瓶を
使っているらしいが若い看護師さんだと
恥ずかしいらしい。

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