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第4章 私を食べないで。

いつのまにやら舌先は胸から臍に向かいゆっくりと、一直線に降りてくる



「…やっ」



言わなくちゃ



「待って……！」



これ以上



「駄目！」



喰われてしまう前に–––










ﾋﾟﾀｯ










彼の動きが止まり、ゆっくりと顔が持ち上がる

揺れる眸にはまたあの寂しさが–––







「そんな顔してもだめ！」

“……っ”



今度ははっきりと告げられ傷付いた顔をする



“俺は…お前が……”

「私も、凪が欲しい」



今度は美和が凪の言葉を先回りした



「だから……ずるいって言ってるの」

“……？”

「いっつも自分だけほっとかれてるって顔して……私だって……」



寂しいよ、と呟いた美和に狼はﾊｯと口を閉じた



「だから…凪に触られる度に切なくなる……もっと触って欲しいって……」

“……なら”

「だから、だめ」