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SSS
第4章 私を食べないで。
“…ミワ……”
「……凪?」
その言葉を口にした瞬間、彼は一気に美和を押し倒した
大きな尻尾が喜びを表すように左右に振りかぶる
「どうして……」
こんな姿に?
“……”
問い掛けると、鋭い眼が彼女を捕らえた
今にも食べられそうだ–––
“……狼人間の呪い”
「は……?」
“…って言ったら、きっと笑うよな”
笑うも何も、唐突すぎて冗談かも分からない
“噛まれた…アメリカで……今日みたいな、満月の夜に”
アメリカ–––そうだ、凪は今アメリカにいるはず。
「……な」
“呪いを解く方法は一つ……愛する者の肉を喰らうこと”
言葉で問うより先に、凪がその疑問に答えた
開いた口からギラリと白い牙が光る
「…愛する、者……」
その人を求めて、この部屋に?
“……フ”
何を思ったのか、狼の眼が急に細まった

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