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夢…獏の喰わぬ夢
第6章 過去
「食べたのか?」
「神のようになれると蛇がいうから、私達は神のようになり神の玩具でなくなるのよ。」
真紅の果汁は毒々しく滴る。
神はすぐに死ぬとは言わなかった。
彼女の体に毒がまわり苦しむのではないのか?
彼女の毒を吸い出そうと、唇の果汁を舐め、吸い取るようにキスをする。
甘い香りがして、とても美味しい汁だった。毒ではないことがわかった。
彼女は手に果実を持っていた。
「神のようになれる。
私は自分が今まで神に飼われたものであったとわかった。
あなたにもその知識を分けてあげたい。」
果実を差し出される。
彼女の手をとり、彼女の手の中から果実を食べた。
僕の目は開いた。
無防備にも裸だった。
そして恥ずかしい営みの為にある器官が剥き出しになっていることに気付いた。
彼女の視線が見ていたのはここだ。
僕たちは、淫らな欲情のバロメーターである恥部を晒して歩いていたのだ。
僕たちは周りにいる動物と同じ、神に飼われたものだったのだ。
「イブ、」
僕は彼女をそう呼んだ。
「イブ、神に約束を守らなかったことはすぐバレる。隠れよう。」
僕達は恥部を葉で隠し森の中に隠れる。

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