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再会 ∽∝∽初恋は実らず?∽∝∽
第1章 失われた時間

「木田さん、校正終わってる?」
「あと5分で…」
「それ以上は待てないぞ?君の校正は若手の割にしっかりしてると定評だが、スピードがね。」
「す、すみません。」
「よろしく頼むよ。」
「はい。」
分刻みで動く情報を形にする。
私は作る側でなく、仕上げのほんの一部に携わるだけ…
でも、失ったものを探すために、情報の集まるこの場所を仕事に選んだ。
文字を扱うのは嫌いじゃない。文章を読むのも好きだ。
でも本業にした理由の、隠れた目的のものが手に入らないか、それに心を奪われて仕事が遅くなることがある。

