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3年目のプロポーズ
第1章 3年目のプロポーズ

「勢いで……別れるとか言って、ごめんなさい」
「僕も、取り乱してごめんなさい」
二人は微笑み合って、軽い口付けを交した。
「さ、じゃあ見せてあげる」
見せてあげる? 何をだ?
美樹はぽかんとした。
「ありのままの僕を、ね?」
優馬はウインクをした。そして自分の服のボタンに手をかけた。
「え!?」
あれは比喩だ。これからお互いに何でも言い合えるような仲で、という意味で────
「ふふ、うそうそ。じゃあはい、目を瞑って」
「目?」
きょとんとする美樹に、優馬は耳元で囁いた。
「プレゼント、あげる」
「……!」
美樹はすぐに目を閉じた。
胸が高鳴る。
彼の足音がどんどん近付いてくる。
そして、首元に彼の気配がした。
これは……今、ネックレスをつけられているのだろうか。
指輪ではないのが少し残念だが────それでも、もう、いいのだ。
だって、本当の彼を知れたから。うわべだけじゃない、彼の心の内側を見ることができた。
あぁ────早く、目を開けたい。彼が選んでくれたネックレスが、どんなデザインなのか、とても気になる────。
「これで、ずっと一緒だね────美樹」

