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第10章 面影を重ねて

「3769円でございます。」



レジの店員の声に現実に引き戻される。

会計を済ませ一階の薬局で軟膏を購入して

足早にホテルの部屋へと戻った。



部屋へ戻るとバスルームからシャワーの音がする。

奥のベッドへ買ってきたものを置く。



シャワーの音だけが部屋の中に響いている。

そして俺は違和感に気づいた。

流れっぱなしのシャワーの音以外しないのだ。

嫌な予感がしてバスルームへ行くと

横たわる彼女の姿があった。



その姿はあの日の再来を見たようだった。