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記憶の彼方に眠る恋
第2章 過去の恋、現在の憧れ

「ほら、『素敵だなぁ』とは思ってるんじゃん! 恋の芽生えと私は見てるよ!」
そう言い切ったあと、紗友莉が口を挟む前に、美香が早口で言葉を継ぐ。
「そんなムキになって否定しなくてもいいじゃん! いまどき、職場での恋愛や結婚には、昔ほど風当たりが強くなくなってるはずだし。その部長さんも独身って、紗友莉は話してたじゃん。独身同士だし、何の問題もないよ」
「まぁ、それはそうかも……。でも、ホントに……別に、部長と私はそんな関係じゃないから。第一、部長にとって、私なんかアウト・オブ・眼中だし」
「紗友莉がそこまで否定するなら、私としても別に追及するつもりはないけど。でも私は、その部長さんと紗友莉が恋愛関係に発展したらいいなって心から思ってるよ。これまで、紗友莉には面と向かって言ったことはなかったけど、実は密かに心配してたんだ。紗友莉って、大学時代に付きあってたという、あの例の彼と、不本意な形で別れることになったじゃん」
美香の言う「例の彼」とは、賢人のことだと、紗友莉にもすぐに理解できた。
美香はホッとしたような口調で、言葉を続ける。
「その元彼のこと、ずっとずっと引きずっちゃうんじゃないかなって、心配してたんだよ~。紗友莉からの話で判断する限り、その部長さんも誠実で良い人みたいだし、『上手くいってほしいな』っていうのが、私の偽らざる気持ちだよ」
そう言い切ったあと、紗友莉が口を挟む前に、美香が早口で言葉を継ぐ。
「そんなムキになって否定しなくてもいいじゃん! いまどき、職場での恋愛や結婚には、昔ほど風当たりが強くなくなってるはずだし。その部長さんも独身って、紗友莉は話してたじゃん。独身同士だし、何の問題もないよ」
「まぁ、それはそうかも……。でも、ホントに……別に、部長と私はそんな関係じゃないから。第一、部長にとって、私なんかアウト・オブ・眼中だし」
「紗友莉がそこまで否定するなら、私としても別に追及するつもりはないけど。でも私は、その部長さんと紗友莉が恋愛関係に発展したらいいなって心から思ってるよ。これまで、紗友莉には面と向かって言ったことはなかったけど、実は密かに心配してたんだ。紗友莉って、大学時代に付きあってたという、あの例の彼と、不本意な形で別れることになったじゃん」
美香の言う「例の彼」とは、賢人のことだと、紗友莉にもすぐに理解できた。
美香はホッとしたような口調で、言葉を続ける。
「その元彼のこと、ずっとずっと引きずっちゃうんじゃないかなって、心配してたんだよ~。紗友莉からの話で判断する限り、その部長さんも誠実で良い人みたいだし、『上手くいってほしいな』っていうのが、私の偽らざる気持ちだよ」

