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記憶の彼方に眠る恋
第7章 失われた記憶

そして現在―――。
拓麻は同じ諦めの境地にあった。
記憶を取り戻したことにより、紗友莉が「親友」から「恩人」にまで、自分や家族の中では昇格したことは大いによかったのだが、「恋人」では決してなく、従って紗友莉との距離が縮まったわけでは決してないのだ。
そしてそれは、望未との婚約以外に道は無いということを、拓麻に知らしめていた。
お守りを名残惜しげに見つめながら、ガックリ肩を落とす拓麻。
そんなとき、玄関のベルの音が、拓麻の耳にも届いた。
「来たのかな」
拓麻はお守りをその場に残し、部屋を出て、階段を降りていった。
拓麻は同じ諦めの境地にあった。
記憶を取り戻したことにより、紗友莉が「親友」から「恩人」にまで、自分や家族の中では昇格したことは大いによかったのだが、「恋人」では決してなく、従って紗友莉との距離が縮まったわけでは決してないのだ。
そしてそれは、望未との婚約以外に道は無いということを、拓麻に知らしめていた。
お守りを名残惜しげに見つめながら、ガックリ肩を落とす拓麻。
そんなとき、玄関のベルの音が、拓麻の耳にも届いた。
「来たのかな」
拓麻はお守りをその場に残し、部屋を出て、階段を降りていった。

