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◇◆ 星降る夜の恋物語 ◆◇
第1章 innocent イノセント

『多分いつもよりは』
なんてレスを打ったのに、その後コンプラの会議が長びいて訂正メールを送ることも出来ないままこの時間。
─拗ねたりしてないだろうか。
約束通りにならないことはこれに始まったことじゃ無いけど、とても気になる。
このところ帰りの遅い俺に代わって、洗濯・掃除を一手に引き受けてくれたあいつ。
”Thank”の意味も込めて、今日は《多奈加亭》のケーキを買って帰るつもりだったのに。
ここのアプリコットチーズはあいつの好物だ。
でも、この時間じゃそれも叶わない。せめてもの代わりに俺が用意したのは、コンビニの チーズケーキとプリン。
とりあえずこれで我慢して貰おう。
ホント言えば、好物のケーキを頬張るときの幸せそうなあいつの顔が見たかったのに。
俺と違って、感情の表現がストレートなあいつ。そんな顔を見ていると、こちらまでつい連られて笑顔になってしまう。

