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さらに近くてもっと甘い
第15章 副社長様のクッキーと甘いお仕置き
「社長も真希さんも、本当に幸せそうで……」
そう言いながら、少し体を離した要は加奈子の顔をじっと見つめる。
「僕もいつか欲しいなぁ…って」
その言葉に、ドキッと加奈子の胸が鳴る。
「もちろん…君との子を、ね」
思えばあまりそういう将来の話を明確にしたことはなかった。
先のことも考えてくれている事実に、加奈子は素直に喜びながら、へへへと笑う。
「副社長のしっかりさと…私のドジさ……どっちの遺伝子が勝ちますかね」
加奈子の問いに要もふっと笑って加奈子の耳元に口を近づける。
「欲しくなったし今夜……作ろうか」
「えっ……あっ…それって」
再び目を回す加奈子に、要は「冗談、冗談」と言って笑う。
「僕は誰かさんみたいに順番を間違えたりするつもりはないからね」
片眉を上げてそんなことを言う要が、誰のことを言っているのかは、鈍感な加奈子でも想像がつく。
「それとは別に…今日は、加奈子にお仕置きをしないと」
「お、お仕置きっ…!?」
流れ的にも言い方的にも、エロさの漂うその言葉に、加奈子は思わず仰反る。
「クッキーを他の男に渡すだなんて……」
「そ、それはっ…あの……」
「あれは僕のもの、だよね?」
「っ……そ、うですけど…」
要が加奈子の体を離すのと同時に、エレベーターは駐車場のある地下へと着く。
「言い訳は後で聞くよ、ベッドの上でね」
依然として微笑んだままの要は加奈子の手を掴んで、そのまま車へと向かっていた。

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