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第11章 快感と快楽ｰ遥に馴染む舞の身体

「・・・・・・・」


ああ‥‥今になって理解出来るよ‥
宮村さんと高嶋さんが店に来ている時に、遥叔父さんがあまり話さなかった理由‥
好きな人に目を付けられたら良い気分なんてしない、多分今の私の心の内と同じ"嫉妬心"これだと思う。


仕事だから、珈琲を出すまで店に居なければいけないけれど、出したら台所の方に回ろうかな？
時間的にもう昼のお客さんも切れる時間、良いよね？？



「・・・・・・・」


取り合えず女性客は無視して、見ているのは遥叔父さんの珈琲を淹れる仕草‥


ずっと変わらない淹れ方‥


濾過紙を折る動きも‥


珈琲豆を計る指も‥


真剣な瞳でお湯を注ぐのも‥


店に居る遥叔父さんは何1つ変わって無い、私が子供の頃から見ている叔父さんそのまま‥
私が憧れた姿‥‥こういうのは変わって欲しくない、そのままの叔父さんで居て欲しい。



「珈琲上がるよ」


「‥‥‥はい‥‥‥」


何時もの如くカウンターに差し出される珈琲を受け取り、トレイに乗せてお客さんへと運ぶ‥
やっぱり私は『涼風』が好き、遥叔父さんも含めこの『涼風』自体が好きなんだとつくづく思う。



「お待たせしました、ブレンドになります」


正確にカップとソーサーをお客さんを正面にして置く、最近は心が安定したのか失敗する事も無くなった。