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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い
“いつものやつ”って常連ぶったわりには、まだ好みが定着していないようだ。
「なるほど……やっぱまだ一週間ちょいのぺーぺーじゃん…」
「なんだと!? 一週間ちょいでも三年に一度でも客は客だ!…ねえマスター、バイトの口が悪いですよー!」
「ははは、俺もそう思う」
マスターが炒め物の音に負けじと大声で答えた。
やって来た元彼を客として一切扱わない。そんなあたしを高槻は何気に楽しんでいるようだ。
「てか毎日ってなに?」
カウンターに身をのり出してずずいと詰め寄る。
「もうこっちに住み始めたんだよ!…てか、オシボリと水を早く出せ」
完全に客として接客しないあたしに高槻は催促してくる。
高槻はやっと出されたオシボリで手を拭くと、ふと、あたしを見上げた。
「鍵は?」
「は?」
「鍵! 俺の鍵!この間渡しただろ?」
「ああこれ?」
渡したっていうか、意図的に置いていったやつだ。
あたしはそれを店の引き出しから取り出して高槻に見せた。
「なんでそこから出すんだ……」
「だって“店の客の、忘れ物”だから」
「………」
言葉を強調するあたしに高槻は白い視線を向ける。
高槻ははあ、と強いため息を吐いてオシボリをカウンターに静かに置いた。

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