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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第14章 愛のメトロノーム

「晶さんだったのか…」
何かを確認するように呟くと高槻に会釈しながらあたしの肩を掴んだ。
「聖夜が逃げたトラ猫を捕まえに行くって言うから何事かと思ったけど…」
「トラ猫?…逃げた?…」
聞き慣れない単語に疑問を浮かべるあたしを楠木さんは笑いながら見つめている。
「晶さんの荷物はこれかな?」
「はい…」
以下にも帰省者です。みたいな荷物を見つけて楠木さんはそれを手にする。
「取りあえず、カメラが気付く前にここから立ち去るからヘリに乗って…」
「え…」
笑いを交えたゲリラ番宣のトークショーに釘付けになる多恵ちゃん達。
その背中を見つけ、声を掛けようとするあたしを楠木さんは引き摺るようにしてヘリに引っ張っていく。
高槻はその姿を唖然としたまま見送っていた──。
「あと10分くらいで終わるから待ってて」
初めてのヘリに乗り、緊張気味のあたしに楠木さんはいかにも女泣かせの笑顔を向けて言う。

