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溶かされてみる?
第14章 隠された過去

でも時々無性に寂しくなる。
みんなと遊ぶときは気づかれないように笑っている。
誰もそんなこと俺が思ってるなんて気づかなかった。
「…こーちゃん、また無理して笑ってる」
1人を除いて。
「え…?」
「こーちゃんってなにかあるとき絶対その笑顔。作ってるような笑顔」
恋ちゃんはいつも俺の変化に気づく。
どれだけ誤魔化しても気づかれる。
どうしてこの子にはわかってしまうんだろうか。
「なんで…わかるの…?」
「そりゃこーちゃんのこと見てるから!恋!」
笑顔で俺のことを抱きしめながら大丈夫だよ、大丈夫と背中を撫でる。
誰も好きにならないし、好きなんて感情を信じないと思っていた俺は、そのとき唯一その女の子を好きになった。
今思えば懐かしい。
小さい頃は純粋にずっと好きだった。
けど今の俺は過去を見ないようにして、好き勝手してきた俺はもうきっと彼女に純粋に触れることなんてできない。
そんなことを思っていたら、いつしか俺が捨てた女たちが怖い顔で俺の元に来る。
ああ、ツケがとうとう回ってきたか。
特になにも思わなかった。

