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溶かされてみる?
第12章 空白の時間と素直な気持ち
むしゃくしゃしながら一番落ち着く屋上へと向かう。
さっきまでまぁまぁたのしい文化祭だったのに。
そう思いながら俺は寝そべる。
怒鳴った時、恋が切なそうな顔していた。
ふとそんなことを思い出して俺はすこし後悔する。
あいつには当たりたくなかった。
そんなことを考えていると、屋上の扉が開いた。
まさかな…
都合のいい解釈で恋だったらいいなと思っているが、手で目を伏せているので誰がきたかまではわからない。
すると現れたその人物は、俺の名を呼んだ。
…恋…?
そう思いながら起き上がるとそこには恋の姿あった。
俺を見て少し安心そうな顔をしながら、明るい口調で俺に話しかけてくる。
こいつ…きっとなんか企んでるな、
話の流れ的に俺とあいつの仲を修復させたいんだろう。
そう思いながら俺はいつもとは違う真剣な声で恋に聞く。
やはり図星だったのか恋は一瞬驚いた顔をして、真剣に俺にあいつとちゃんと話せって言ってくる。
言い合いをしているうちに、恋は昔の話し方、呼び方になり、俺に意気地なしと呟く。
俺はずっと抵抗するが、恋は全く引き下がらない。
それよか俺の思っていることが恋には透けて見えているのかと思うくらい気持ちを当てられる。
恋の優しさが、昔の俺も今の俺も救ってくれた。
昔も寂しそうにしていた俺のところに来て、遊んだり歌を歌ったり…
寂しいと思う時、気づけば恋は隣にいた。
抱えていた寂しさがなくなっていた。

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