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隷吏たちのるつぼ
第4章  第三章 詭謀の酬い
「ほら、欲しいだろ?」
「ふぉ、ふぉふぃい……、れす」

 髪の毛を逆立てて脚の間を天地反対に覗くと、嚢から聳える肉槍がヘアの生いる丘の向こうへと突き立てられていた。

(き、きてっ……)

 傘が門扉を広げてくる。智咲は烙印を灼かれたかのように仰け反った。哀涙よりも熱い涙粒は、頬を伝い、口端から垂れる涎と混ざると、顎の先からポタポタと落ちて廊下を汚した。

「このまま歩くんだよ、智咲」

 後ろから圧迫されて脚を踏ん張った。前進を拒んだわけではない。前へ進めば、押し込まれてくる肉塊との摩擦が弛んでしまう。

「ほら、あそこまで行ったら、ハメまくれるからな」

 行き止まりにドアが見える。毎度連れ込まれる音響操作室には防音が施されている。そこなら、大きな声を出すことができる。

 期待に狭まる蜜道を励ますように、傘が短くピストンしてくると、智咲は前屈したままヨロヨロと進み始めた。

(ああ……、はやく奥まで……、ほしい)

 鞭打たれた体は限界が近い。この肉槌が最奥を抉ってくる瞬間だけが、智咲の気力の源となっていた。

「いい子だ。智咲は本当に、素直ないい子だ。俺の言う通りにすれば、大好きなオシオキ、これからもいっぱいしてあげるからな」
「ふぁ……」

 溢れる涎が気管に入ってきそうになって咽せた。今日はまだ、牡茎で喉を打突されてない。あの部屋に入り、征四郎が一度目の満足をしたら、次は精液と、そして自分の体液にも塗れた肉幹で、乱暴に喉奥を突かれる──貫いてもらえるに違いない。

「……ふぁ、い……」

 智咲は自分にも言い聞かせるように返事をした。

 これは仕置きだ。下裸で職場を這わされるのも、ヒップを打擲されるのも、こうして後背から焦らされて、不様に歩かされるのも──すべて、卑しい手段で職員資格を得て何食わぬ顔で過ごそうとしていた自分への懲罰なのだ。

(き、きもちいいっ……)

 しかし、こんな峻烈な快楽が伴うなんて、後ろめたく思える。

「──俺にヒドいことをする奴がいるんだ」

 扉の前に辿り着いた。身を起こしてノブを回す。鍵がかかっている。鍵を……。
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