この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
茜さんのベッドに入って、苦しむ彼女を包み込むように抱き締めた。
夢の中でも怯えているのか、小刻みに身体が震えている。
「大丈夫やから…俺はここに居るから」
「春人…」
俺の声が届いたのか、呼吸の乱れと身体の震えが収まった。
額の汗を拭って、額にキスを落とした。
腕の中に居る彼女の体温を感じながら、再び目を閉じた。
ーーーーーーー
「…ん」
カーテンから漏れる光で目が覚めた。
腕の中の茜さんを見ると、まだ目を覚ましていない…
今日も起きやんか…
なんて思っていたら、茜さんがいきなりモゾモゾと動いて、ゆっくり瞼を開けた。
「…おはよ」
「…っ」
俺を見ると、一瞬顔を強張らせて、顔を歪めて目に涙を溜めた。
「は、春人…」
ボロボロ涙を零しながら、俺の胸に顔を埋めた。
「わ、私、ごめ、んなさ…」
「謝らんでいいよ。もう分かってるから」
「ふっ、私、春人に何も言ってな…」
「分かってるよ。俺に気遣ってくれてたんやろ?」
「あ、あ…」
弱々しく抱き付いてきた茜さんが泣き止むまで、背中を優しくさすった。
少しでも安心させたかったから…

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


