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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第29章 果たされぬ・・・約束
『え…?…いいよ…遠いし』




『だったら…余計に』



無事に帰れなきゃ意味がない…






『エリカは…帰るだけだけど
したらユウト戻って来なきゃじゃんか

お金…もったいないよ
ただでさえエリカ…置いてもらってたのに』






『ほぉ~?エリカ

なんか大人になったのか?(笑)』







『エリカ…お金はバイトして返すから』








『クス・・・いいって』








『やだ・・・ちゃんとする』







『ちゃんとするなら…余計な事は考えるな

エリカはなんのために帰るんだ?』






『え・・・』








『学生は…まず勉強だ

エリカは・・・幼稚園の先生に

なるんだろ?』





『うん・・・、っ~~…うんっ』






エリカは…嬉しそうに笑う





『ユウト…どうして、そこまで?』





『ふふっ…エリカごときのために

パクられんのは御免だから?(笑)』






『んふっ・・・エリカと離れんのが

寂しいだけだったりして?(笑)』







『バカ言え(笑)やっと厄介祓いができる

どうなるかと思ってたんだぞ

このプッツン家出娘が』






『ふふふ…~てかさ
エリカが指名手配だったら

ユウト一緒に行ったりしたら
ヤバくない?』






『エリカが指名手配なら
捕まるのお前だろーが(笑)

パクられたら?…ははっ
そーなったらそれでしゃーねぇかな?

事情を包み隠さず話すさ』





『えっ…いやだよ、そんなの

ユウトは悪いことしてないのに

てかなんでそんな落ち着いてるわけ?!』






『俺は色々あったから

〃修羅場慣れ〃してんだよ(苦笑)』





『~~・・・』







『ま、そういう訳だから

ちゃんと送っていくから安心しな』






『お金もらったりして

ユウトが…捕まると悪いもんね♪』






『わかればヨシ…』






とか言って…俺は本音じゃ

〃エリカを確実に親元に帰す〃

それで頭がいっぱいだった



万が一でも億が一でも…ないと思うが

もしも…エリカの親が

「勘当する」とか言ったり

何かあると…いけないから



そんな心配を秘密裏にしていた





『で・・・どこなんだよ家は?』




・・・?
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