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第56章 記者会見

彩香は、放心状態でぼ～っとしていた。

「彩香？大丈夫？」

「へっ？」

「彩香？ちょっとおいで」

彩香の手を引き、社長室から

専務室に向かった。

二人で、専務室に入った途端

「彩香？泣いて良いぞ。」

その言葉を聞いたと同時に

彩香の瞳から、大粒の涙が溢れた。

真は、そんな彩香を抱き締めて

「大丈夫だよ。大丈夫だよ。」って

何度も、何度も言い続けた。

「怖い。怖いよぉ～」

彩香は泣きながらふるえていた。

「何も怖くない。全てが上手くいくから

心配いらないよ。俺が彩香を

愛していることが伝われば

他の誰かが彩香を蹴落とそうとしても

無意味だとわかるから、大丈夫だよ。」

「本当にそうかな？

余計に意地悪されないかな？

怖いよぉ～」彩香は、ガタガタふるえて

本当に怖がっていることが

真にもわかった。