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ショートストーリーズ
第47章 さやか ~内と外~
自分の周囲に囲いを築き、他者がその内側に踏み入ってくることを恐れ、またそれを拒みさえもして、ひとりひっそりとたたずんでいるさやか。
その囲いの外側で、さやかが唯一私のために囲いに小さな出口をこしらえ、そこから出てきてくれるのをじっと待つ私。
きょう、「待ち人」の枠を逸脱した私は、その囲いの隙間から伸ばした手でさやかの手をとり、さやかを囲いの外の世界に誘(いざな)った。
さやかからすれば、いささか「強引」とも映っただろうか。囲いの外側にいる私。内側にいるさやか。二人を隔てる囲いの、すぐ向こう側まで来てくれたさやかを、再び囲いの内側の中央にまで遠ざける結果になりはしまいか・・
それをわずかに恐れつつ、私は信じて待つ。
その囲いの外側で、さやかが唯一私のために囲いに小さな出口をこしらえ、そこから出てきてくれるのをじっと待つ私。
きょう、「待ち人」の枠を逸脱した私は、その囲いの隙間から伸ばした手でさやかの手をとり、さやかを囲いの外の世界に誘(いざな)った。
さやかからすれば、いささか「強引」とも映っただろうか。囲いの外側にいる私。内側にいるさやか。二人を隔てる囲いの、すぐ向こう側まで来てくれたさやかを、再び囲いの内側の中央にまで遠ざける結果になりはしまいか・・
それをわずかに恐れつつ、私は信じて待つ。

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