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第19章 　罪と罰

「俺に操を立てなかったからこうなるんだ。お前が悪い。分かったか？」


「嫌です。嫌い……崇志さんなんて……」

そう言うその声が甘いことを彼女自身は気付いているのだろうか。


しゃくり上げる度に肩が上下するその動きにすら、興奮を覚えた。

先程までの、紗良の喘ぐ声にまだ酔いが残る。



今までこれほど彼女の露になった感情に触れたことなどあっただろうか。

「崇志さん何て、嫌い……。嫌いです。違うって……言ってるのに……」


嫌いと言いながらも身を小さくしてすがったままの紗良。

初めて見せる、自分を嫌いと罵りながらも信用しきって身を全て預けながら甘えてくる紗良が堪らなく愛しい。



「これが、キスマークだと言うなら……」


そうしゃくり上げながら言って俯く彼女。



裏切られたと知ってもなお、紗良への愛しさは増すばかりだった。