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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
抱きしめられている腕が微かに震えているのが分かる。
先ほどまで私に向いていた瞳は宙を舞っている。

「俊樹…私から質問していい?」

宙を舞っていた瞳はゆっくりと私に向く。

「いいよ」

「…どうして…幼馴染だったこと内緒にしていたの?いつから、幼馴染の華が私だって気がついた?」

俊樹の瞳が揺れる。

「…最初に会った時に華だって気がついたよ。あの頃と変わらない…分からないはずがない…だって…」

一度瞳を伏せて、大きく深呼吸をする。
そして瞳を開いて真剣な眼差しが私を射貫く。

「華は…私が愛した、ただ一人の女性だから…」

「愛した…」

その言葉が胸に刺さる。
こんなに真剣に愛を紡ぐ人を見たことがない。
幼少の時に数年一緒に遊んだだけの私に対して「愛した、ただ一人の女性」と言い切る俊樹の想いがうれしくもあり驚きでもあった。

「そう…あの頃の想いと変わらない。何があろうと思いが変わることなんてなかった」

「けど、幼い頃のことだよ?まだ本当の恋じゃないかもしれないよ?」

一瞬、俊樹の顔が歪み、今にも泣き出してしまうのではないかと錯覚する。

「…そうだね…あの時は幼った…幼かったから華を助けることができなかった」

あの時と言うのが、私が湖に落ちた時の事なんだと勝手に思う。
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