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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択

ユンは腕に抱いた明姫の髪のひと房を掬い、そっと口づける。
「いつかそなたは言ったな。大勢の女たちと後宮で私の愛を分け合うのは嫌だと。だが、愛しい明姫、私は王だから、そなたのその望みは叶えてやれそうにない。たぶん、私はこれから先も新しい側室を迎えることになるだろう。だが、たとえ何人の女が後宮に来ようと、心の妻はそなただけだ。私の心を満たし、乾きを癒してくれるのは明姫だけなのだ。そのことを忘れないでくれ」
「判っています。それが王として生きるあなたの宿命であれば、私はその宿命に従うつもりでいるから、心配しないでください」
「いつかそなたは言ったな。大勢の女たちと後宮で私の愛を分け合うのは嫌だと。だが、愛しい明姫、私は王だから、そなたのその望みは叶えてやれそうにない。たぶん、私はこれから先も新しい側室を迎えることになるだろう。だが、たとえ何人の女が後宮に来ようと、心の妻はそなただけだ。私の心を満たし、乾きを癒してくれるのは明姫だけなのだ。そのことを忘れないでくれ」
「判っています。それが王として生きるあなたの宿命であれば、私はその宿命に従うつもりでいるから、心配しないでください」

