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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択

ユンは最初は抵抗したものの、直に、この要求を呑まなければ、明姫を手に入れる機会を永遠に失うことになると悟った。
皮肉なものだと思った。生涯でただ一人の想い人だと思い定めた女を妻に迎えるために、愛してもおらぬ女たちを抱く。王は大妃の要求を受け容れて、ユン昭儀と曺昭容の二人の側室たちを次々と寝所に召した。
ただし、彼女たちは気の毒に待望の王との初夜を迎えたものの、ただ一度きりで、その後は王に呼ばれることもなく過ごしている。
だが、そのたった一度のお召しで曺昭容は見事に懐妊し、今、妊娠八ヶ月目に入っている。曺昭容はペク氏の娘ではないが、彼女の父兵曺判書は明らかに領議政派の官吏だ。大妃は曺昭容の懐妊に狂喜乱舞し、ここのところ、いつになく機嫌の良い日が続いている。
皮肉なものだと思った。生涯でただ一人の想い人だと思い定めた女を妻に迎えるために、愛してもおらぬ女たちを抱く。王は大妃の要求を受け容れて、ユン昭儀と曺昭容の二人の側室たちを次々と寝所に召した。
ただし、彼女たちは気の毒に待望の王との初夜を迎えたものの、ただ一度きりで、その後は王に呼ばれることもなく過ごしている。
だが、そのたった一度のお召しで曺昭容は見事に懐妊し、今、妊娠八ヶ月目に入っている。曺昭容はペク氏の娘ではないが、彼女の父兵曺判書は明らかに領議政派の官吏だ。大妃は曺昭容の懐妊に狂喜乱舞し、ここのところ、いつになく機嫌の良い日が続いている。

