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淫の館
第6章 脱走

「今日はうなされることも、寝言を言うこともありませんでした。」
「うむ、ようやく、心と体が一致したということだ。
奴隷になることを拒否していた心が体に馴染んだのだ。
今日の躾には皆を同席させろ。」
私は、一人で寂しい思いをしていたのに、就寝時の様子を担当が見守り、男に報告しているなどと思いもしなかった。
「躾の時間だ。出てきなさい。」
いつもの声かけに部屋を出る。
ずらりと弟子たちが四方を囲んで座っていた。
真ん中にいつものように石畳がある。
自分から進んで正座をした。
いつもの咎めがかけられるだけで、弟子たちが総勢で見守る理由も説明されなかった。

