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淫の館
第5章 磔の躾

ゴボッ…ゴボッ…
溜めた息を全て吐き出した。それでも上げられる気配がない。
グホッ…死ぬ…死ぬ…
引き揚げられるとき、そう叫んでいた。
やめて…ください…
ジャラジャラ…ドボン…
男は答えもせずに落とす。
でも男の指が動いて弟子が鎖を手放したのを見て、思い切り息を吸った。
ゴボッ…ゴボッ…
小出しに息を吐いても先が見えない。
そして、吐ききっても、いつ上げられるかわからない。
男は私が全て吐き出してからの時間で加減して引き揚げているのだろう。
男は私を殺すつもりはないはずだ。従順な奴隷、生き人形にしたいだけだ。
ならば、息を長く溜めて堪える必要はない。
私は全て吐き出した。

